なぜ、マクドナルドは、ハンバーガーに無料券を付けるキャンペーンを行うのか

マクドナルドが、以前にフィレオフィッシュかダブルチーズバーガーの単品購入(300円くらい)をすれば、その場で同じものをもう1つ貰えるか、もしくはその無料券が付いてくるというキャンペーンをしていた。
そのときに思ったのが、どうせなら半額で売り出せよという感想である。今回のキャンペーンでは、余分に1個追加で提供するために、150円のコストを費やすというものであり、同じ150円のコストで半額で売り出しても良い気がする。しかしながら、なぜ、マクドナルドは同じ150円というコストでキャンペーンを行うのだろうか。
それは、その方が儲かるからだと考える。営利企業なら、利益の追求が行動原則の基本だろう。
ではどのように儲けようとしているのだろうか。

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図にすると分かるように、今回のキャンペーンと半額を比較した場合、同じ150円のコストでも、そのコストが固定なのか変動なのかという違いがある。キャンペーンの場合、0〜150円の変動費用であるが、半額の場合だと、150円の固定費用となってしまう。つまり、キャンペーンの方が、儲けやすいということである。無料券を使わない人は、少なくはないだろう。

このような実質的な値下げをして、その値下げコスト以上の売り上げを上げることで利益を見込むのであれば、初めから定価をもっと安くできるのではないのかと考えてしまう。そもそも、マクドナルドは、「安い、速い、うまい」が競争優位だったのだろうけれど、最近では1000円バーガーなどの高級路線や全体的な商品単価が高めになっている印象が強い。ファストフードに500円以上出すのであれば、他の外食(牛丼とか)の方が満足感が高い気がするのだが。
10年以上前のことだけれど、ハンバーガー50円の時期があって、「マクドナルド=安い」という強烈な印象を持っていたのだが、今となっては幻想である。
これから、どのような戦略を打ち出していくのか、興味深いところである。