お酒を味わおうとすればするほど、美味しさが分からなくなる

基本的には、1人でお酒を飲むことは無くて、もちろん、一人でバーとか行かない。飲むとすれば、所属組織の付き合いや友達に誘われた時などで、日常的に自分から積極的にお酒に接する機会はほとんどな気がする。でも、付き合いに誘われたら、どこまでも付き合えるけれど、相手の酒癖の悪さが出るところまでいくと、あしらいが大変。

しかしながら、こんな私、数か月に1回ほど、コンビニでお酒に手を出し、家で一人で飲むことがある。別に、お酒が好きなわけでもなく、その時の動機はなんとなく。

そして、一人で飲んでみると、誰かと飲んでいる時、飲み会の時ほど美味しくないと感じるのである。飲み会の時よりも、お酒と真剣に向き合い、その美味しさを感じようとしているにも関わらず。むしろ、その冷静さが、お酒の悪い面までもクリアにしているのかもしれない。味だけ考えると、お酒よりもジュースの方が美味しいし、アルコールが異質で必要ないものと思えたりする。組み合わせで考えると、ジュースよりもお酒の方が、料理との相性がいい。誰かと飲むかで考えると、一人よりも、誰かと飲む方が美味しく味わえる。

つまり、私にとって、お酒というものは、何かを補完するツールなんだと思う。お酒それ自体を単独で飲んでも、味わえない。料理をより美味しく味わえるお酒、誰かとのコミュニケーションを活発にするツールとしてのお酒。

一人で、お酒だけ飲んでいても美味しさが分からないのは、飲むこと自体が目的と成っているからなのか。何となくコンビニなんかでお酒に手を出してしまうのは、お酒の美味しさを分かろうとしようという心理があるようにも思える。そして、冷静にお酒と向き合うと、欠点も目立つようになる。結果、イマイチという感想。飲み会なんかで飲む時は、冷静にお酒を味わうよりも、人と話すことや美味しそうな料理に意識が集中する。むしろ、お酒の味なんて考えてもいない。お酒は、コミュニケーションを軽やかにしてくれるし、その場も盛り上がる。外食での料理は、いつもより美味しいのが普通で、お酒もそれに釣られて美味しく感じているのかもしれない。

お酒の味が分かるような人になれば、それはそれで良いのかもしれないけど、アル中になりそうで怖いのであって。

多分、お酒の味を、本当に分かっている人ってあまりいないんじゃなかろうか?

まあ、父親とかが毎晩飲んでいるの見ていると、子供ながらにお酒は美味しいものと思いこんじゃうよね。